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「噛んでみてどうですか? 」と聞いて患者さんから逆に聞かれたこと

ある患者さんから受けた一言

ドクターになりたてのころの話です。かぶせ物をつけて、患者さんに「噛んでみていかがですか? 」と聞いたところ、

「少し高い気がするんですけど、先生から診てどうですか? 」

と逆に尋ねられたことがありました。
噛み合わせのことが頭になかったわけではありません。でも、詰め物やかぶせ物をしたら患者さんに「噛んでみていかがですか? 」と聞くのが習慣になっていただけだということに初めて気づきました。
そう尋ねられるとどう答えていいか、どうしたらいいか、正直分からなかったのです。

勉強を始める

この出来事がきっかけとなって、噛み合わせについていろいろ勉強をし始めました。休みの日を利用して、大学の図書館に行って色々な文献を読んでみたり、色々な講習会に行ったりして治療にあたりましたが、結果は無惨でした。

今思えば、それは当たり前です。

歯しか見えていない状態で、筋肉、顎関節、けいついなどを全く無視して噛み合わせを診ていたからです。

そんなとき、あるきっかけで広島で開業されている藤田和也先生(私が最も尊敬する歯科医師の一人です)の顎関節の講習会に参加しました。他にも色々な講習会に行きましたが、藤田先生の講習会は僕にとって衝撃的でした。

こんなに噛み合わせと全身が関わっているとは、まったく認識していなかったのです。

一般的に行われている噛み合わせの治療は、顎を後ろに押すため人間の体には適合が悪く、歯の不調和だけでなく、咬筋(咬むときに使う筋肉)側頭筋(こめかみの所にある筋肉)のバランスが悪くなり、顎がおかしくなるだけでなく頭痛・肩こりまで助長させてしまうのです。

藤田先生の理論は今までの考えと全く逆でした。どこが違うか?

まずは頭を起こし、筋肉の緊張をとるため微量の電気を使い(電気刺激法)、そこから生理的な位置を見つけていくのです。もちろん、顎を後ろに押しつけたりしません。術者が勘で行うものでもありません。電気刺激法を使うと筋肉の緊張が取れるため、患者さんが一番心地のよい噛み合わせが取れるのです。

なんとかこの治療法を習得しようと、時間を見つけては広島まで通い、現在に至っています。あの当時経験が浅かった僕でも、治療が難しいと言われる顎関節症を藤田理論で行うと噛み合わせがよくなるんです。

私は常々もっと多くの患者さんに噛み合わせの大切さを知ってもらい、健康になっていただきたいと思っています。この理論を丁寧に教えてくださった藤田先生には感謝の一言につきます。

今回のポイント

 いい噛み合わせの調べ方、調整の方法は頭を起こしてとるか、寝かせてとるかで患者さんも判断ができる。

 食べるときは寝て食べませんよね?それを考えれば簡単。

 歯、筋肉、顎の関節、頸椎それぞれを調和させるような治療が不定愁訴を治す。

 削ってつめるだけが歯の治療ではない。

追伸 歯科医師の方へ

咬合治療で悩んでいる方、プライベートセミナーを行っています。
興味のある方は当院までご連絡ください(028-688-8100)。