小児矯正
当院の小児矯正

小児矯正は、乳歯列期に行なう予防的な矯正治療で、不正咬合や虫歯の発生を抑制することが主な目的です。顎の正常な発達を促すため、抜歯せずに歯並びを整えやすいというメリットもあります。ただし、矯正治療の結果は歯科医師のスキルによって異なるため、歯科医院を選ぶ際には金額ではなく治療の質を重視することが大切です。お子様の将来のお口の健康のためには、見た目とともに噛み合わせも整えられる歯科医院を選ぶことをおすすめします。
KANEKO DENTAL OFFICEでは、正しい噛み合わせの実現はもちろんのこと、なるべく痛みを軽減し、治療期間の短縮を図るように心がけています。院長自身が矯正治療を経験しているため、患者様に寄り添った治療の提供が可能です。どうぞお気軽にご相談ください。
<当院の矯正治療のモットー>
- 極力抜かない
- なるべく短期間になるような治療計画
- 噛み合わせが狂わないように歯を動かす
アトピー・アレルギーと歯列矯正

口呼吸とアレルギー性疾患の関連
正しい呼吸は鼻呼吸ですが、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患をもつ方のなかには、口呼吸をしている方が少なくありません。口呼吸は上顎の成長を妨げるため、幅の狭いV字型の上顎になりがちです。狭い上顎は口呼吸をさらに助長し、アレルギー物質を体内に直接取り込んでしまうため、症状はどんどん悪化していきます。そのため、アレルギー疾患をもつお子様で口呼吸になっている場合には、鼻呼吸への移行が必要です。鼻呼吸になればアレルギー物質の取り込みが減少するほか、睡眠の質が向上して免疫力が高まり、症状の改善が期待できます。

小児矯正で早期に顎を拡げ、
鼻呼吸を促す
小児矯正では、正しく鼻呼吸ができるように矯正装置を使って顎の正常な発達を促します。治療によって早期に上顎を拡大させることで、舌の位置が改善し、上顎の奥にある鼻腔が拡がって鼻呼吸がしやすくなります。正しい呼吸と健康的な歯並びを促すためには、7~8歳ごろの「ゴールデンエイジ」に治療を始めることが重要です。お子様の歯並びや噛み合わせが気になる場合はお早めにご相談ください。
小児矯正のさまざまな装置
当院の小児矯正では、なるべく歯を抜かない、外科矯正をしない、できるだけ煩わしくない装置を選択する、ということを大切にしています。矯正装置は症例に当てはめて選択するのではなく、患者様の負担が少なく、治療期間を短縮できるよう考慮したうえで選択し、歯並びを整えていくことが重要だと考えています。
以下は、当院で使用する矯正装置の一例です。
拡大床装置
拡大床装置は、上顎の歯列の幅を拡げたい場合に使用する取り外し式の矯正装置です。レジン製のプレートとワイヤー、ネジで構成されており、歯科医師の指示通りにネジを調節することで上顎の歯列の幅を少しずつ拡げていきます。なお、顎を拡げる装置は使用しますが、顎顔面矯正のように骨を無理やり拡げる治療は行なっておりません。
機能的矯正装置
機能的矯正装置は、筋肉の力を利用して上顎と下顎のバランスを整える装置です。乳歯と永久歯が混在している時期(1期)の矯正治療で使用します。噛み合わせのタイプに応じて、装置のデザインが異なります。
ワイヤー・ブラケット装置
ワイヤー・ブラケット装置は、金属製のブラケットとワイヤーで構成された矯正装置で、永久歯が生えそろった時期(2期)の小児矯正で使用します。ブラケットを歯に取り付け、中心にある溝にワイヤーを通して力をかけることで歯を動かします。
カリエールモーション
カリエールモーションは、犬歯から奥歯を一気に後方に動かし、上下の奥歯の位置関係を改善する装置です。主にワイヤー・ブラケット装置による矯正治療の前準備として使用します。小さな装置で合理的に歯を動かすことが可能で、ブラケットを装着する期間の短縮が図れます。
MFT(口腔筋機能療法)
トレーニング

矯正治療を始める前の
MFTトレーニング
小児矯正では、本格的な矯正治療の前に「MFT(口腔筋機能療法)トレーニング」を実施しています。これは、歯列を取り巻く舌や唇、頬などの口腔周囲筋のバランスを整え、機能を改善するトレーニングです。
MFTを行なう理由の一つは、近年スマホの使用頻度が増え、猫背の姿勢になりがちな子どもが多いことです。姿勢が悪いと舌の位置が自然と下がり、口呼吸が促されます。また、長期間のマスク着用の影響で口呼吸になっている子どもも増えています。さらに、口呼吸によって口の正常な成長が妨げられ、鼻が低くなったり、鼻の穴が目立つ顔つきになったりする場合もあります。将来のお子様の顔の成長にも大きく影響するため、成長期の今こそ鼻呼吸の習慣をつけることが重要です。
もう一つの理由は、口が常にあいている、舌で歯を押すといった悪い癖があると、筋肉の圧力で歯が望ましくない方向に動き、歯並びが乱れてしまうことです。矯正治療を行なっても、これらの癖が原因で歯が元の位置に戻ってしまうことがあります。そのため、小児矯正の一環としてMFTを行います。また、MFTは歯並びの改善に役立つだけでなく、将来、高齢になった際の嚥下機能を向上させ、誤嚥性肺炎のリスクを低減する効果もあります。
小児矯正のよくある質問
子どもの矯正時期について知りたいです。また、どのような治療方法ですか?
なるべく早くご相談に来ていただくことをおすすめしています。本格的な矯正装置の使用は小学生ごろから始まりますが、幼少期から歯科医院に慣れておくことが大切です。また、当院では、幼少期から鼻呼吸になるためのトレーニングを行なっています。これによって歯並びの改善が期待でき、矯正装置を使用する期間の短縮も図れます。治療方法については、基本的に成長期を利用して顎を拡大する矯正装置を使用し、その後に歯並びを整える矯正治療に移行します。詳しくは、レントゲン撮影を行なった後にお子様に合った治療方法についてご説明します。
※お子様の矯正治療には、保護者の方のご協力が不可欠です。
リスク・副作用
矯正治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 矯正治療の一般的な治療費は60万~150万円、一般的な治療期間は2~3年、一般的な治療回数は24~36回となります。使用する装置、症状や治療の進行状況などにより変化しますので、参考程度にお考えいただき、詳細は歯科医師にご確認ください。
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自由診療となり、となり、保険診療よりも高額になります。
- 最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
- 治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生えそろっている場合は、一般的に1年半~3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)に行なう第1期治療で1~2年、永久歯がすべて生えそろったあとに行なう第2期治療で1~2年半を要することがあります。
- 歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
- 装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者様のご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
- ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
- 治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
- 歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 取り外して歯を磨けるので虫歯になるリスクは低減しますが、装置をつけていない場合よりは虫歯になるリスクが上がるので、丁寧に歯を磨くことが大切です。
- 装置に金属が使われているため、個人差はありますが金属アレルギーを発症することがあります。
- 装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
- 装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- 治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
- 加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
- 矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
拡大床装置を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自由診療となり、となり、保険診療よりも高額になります。
- 取り外せるので、装着時間を守るためのセルフコントロールが必要です。
- お子様が治療に協力的でない場合、良好な治療結果を得られないことがあります。
- 毎日の装着を怠ると、良好な治療結果を得られないことがあります。
- 歯を自在に動かせるわけではないので、2期治療が必要となりますが、1期治療を行なうことで負担が軽減されます。
- この装置だけで、お口周りの問題をすべて解決できるわけではありません。
機能的矯正装置を用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自由診療となり、となり、保険診療よりも高額になります。
- お子様が治療に協力的でない場合、良好な治療結果を得られないことがあります。
- 毎日の装着を怠ると、良好な治療結果を得られないことがあります。
- 生涯良好な歯並びであることを保証する治療ではありません。治療後、成長により不正咬合が現れることがあります。
- 症状が改善されない場合、ほかの矯正治療に移行することもあります。
- この装置だけで、お口周りの問題をすべて解決できるわけではありません。
カリエールモーションを用いた治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自由診療となり、となり、保険診療よりも高額になります。
- 基本的に、食事と歯磨きのとき以外は、ゴムをかける必要があります。正しい方法で1日20時間以上ゴムをかけないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
- カリエールをつける歯が被せ物など人工歯の場合、カリエールは使用できません。
MFT(口腔筋機能療法)にともなう一般的なリスク・副作用
- お口周りの筋肉を正常に機能させるためのトレーニングです。
- 機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自由診療となり、となり、保険診療よりも高額になります。
- お子様が治療に協力的でない場合、良好な治療結果を得られないことがあります。
- MFT(口腔筋機能療法)だけで、お口周りの問題をすべて解決できるわけではありません。
- MFT(口腔筋機能療法)を行なったからといって、将来矯正治療をせずに済むとは限りません。