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保険の保存は正解?

2026.02.15

保険の保存は正解?

「とりあえず様子を見ましょう」

歯科医院でこう言われたことはありませんか?

患者さんが歯を残したい気持ちは、歯科医師として十分理解しています。しかし、患者さんの希望と正しい診断は、必ずしも一致しないこともあります。

保存治療が必ずしも正解とは限らない

例えば、根の先に膿が溜まっている歯。レントゲンで見ると明らかに抜歯が必要な状態です。

しかし患者さんに説明しても、「できれば抜きたくない」「まだ痛くないから大丈夫」と、その深刻さを理解してもらえないこともあります。

ここで重要なのは、保険診療が安いからといって、歯を保存できるわけではないということです。

保険診療では、時間をかけた丁寧な説明や、将来を見据えた治療計画の立案が難しい場合もあります。結果として「様子を見ましょう」という曖昧な対応で終わってしまうことも。

一方、自費診療でしっかりと時間をかけて診療している歯科医院では、そのような曖昧な対応はできません。だからこそ、患者さんの将来まで見据えた、きちんとした診断を行います。

がん治療と歯科治療の関係

「将来がんになったときのこと」を考えたことはありますか?

多くの患者さんは、歯の問題とがん治療が深く関わっていることをご存じありません。

抗がん剤治療が始まると何が起こるか

抗がん剤を入れ始めると、免疫力が著しく低下します。

そのとき、もし根の先に膿が溜まった歯が残っていたら——

その歯が原因で、顎の骨が腐ります(顎骨壊死)。

免疫力が低下しているため、感染が骨にまで広がり、骨の組織が死んでしまうのです。

一度顎骨壊死が起きると、治療は極めて困難になります。激しい痛みで食事もできなくなり、体力も落ちていきます。

治らない歯を残したことが、命に関わるがん治療の大きな妨げになってしまうのです。

本当に患者さんと向き合うということ

優秀な歯科医師は、目の前の歯だけを見ているのではありません。

  • 患者さんのライフスタイル
  • 年齢
  • 既往歴
  • これからの治療計画
  • 将来起こりうるリスク

これらすべてを考慮して、診断を下します。

私がもし抜歯を勧めるとしたら、それはインプラントをしたいからではありません

患者さんの人生全体を考えて、その人にとって最も利益になるプランを立てているからです。

最後に

歯科治療は、単に「歯を残す」「歯を抜く」という二択ではありません。

大切なのは、患者さんの体全体のことまで考えてくれる歯科医を探すことです。

「様子を見ましょう」という言葉の裏に、本当に患者さんの将来を考えた診断があるのか。

それとも、ただ先送りにしているだけなのか。

見極める目を持っていただきたいと思います。

 

医療法人 KANEKO DENTAL OFFICE

日本口腔インプラント学会指導医 金子泰英

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