インプラント前歯1本の症例

通院時年齢 41歳
主訴 前歯の被せ物(セラミック)が外れた
性別 女性
通院目的 他院にて被せ物(セラミック)を入れたが何度も外れてしまう
処置内容 歯周病初期治療/抜歯(骨造成)/
インプラント治療/静脈内鎮静法
通院期間 8カ月
費用 682,000円
経過 11年/良好
備考 3カ月に一度の定期健診に通院されています

他院にて左上2番に被せ物(セラミック)を入れたが作り変えても何度も外れてしまい、 セカンドオピニオンで当院に来院。初診時は既に外れている状態でした。 ※レントゲン撮影時は外れた被せ物を入れて撮影しています。


初診時


現状と治療計画

パノラマレントゲン、CTを撮影したところ破折(ひび割れ)があることが分かりました。 唇側に破折線がありそちらだけ骨が吸収しているのが分かります。(写真①) これでは被せ物(セラミック)を入れてもすぐに外れてしまうのは当然です。 残念ながら破折の場合はヒビや割れの位置によりますが、抜歯の適用となります。 この方も奥まで破折線が入っていた為抜歯となります。


抜歯と同時にインプラントを埋入する事も可能ですが、唇側の骨が無いため、 抜歯をして一度骨を作ってからインプラントを埋入した方が歯肉が下がらず ラインが綺麗になるので、少し時間はかかりますがその方法で行ないました。 抜歯と同時に骨造成(無くなっていた唇側の骨を作る)を行い、3か月後に インプラント埋入手術をしました。 インプラント手術から1か月後、型を取り仮歯が入りました。(写真②) 先に骨を作っていた為、しっかりとした骨が出来ていたので早く仮歯が入ります。


※歯肉のラインを見て頂ければ分かりますが、 インプラント手術から1カ月ですが、歯肉が とても綺麗です。


仮歯と同時にアバット(インプラントの土台) の試適を行います。(写真③) これがインプラント体とセラミックを繋ぐ土台となります。適合が問題なければセラミック (被せ物)の作製に進みます。


土台はジルコニアとチタンの2種類あります。前歯なので審美的に金属が見えないようにジルコニアの土台を入れました。


1か月後、セラミックが入りました。(写真④) 時間は少し掛かりますが、抜歯してしっかりと 骨を作ってからインプラントを埋入したので 歯肉が下がらず、綺麗なラインになっています。 インプラント体と土台はスクリューで固定し、 セラミックはセメント(仮着)で固定します。 セラミックを固定するセメントは、土台のスクリューが稀に緩むことがあり、その際に すぐに外し、スクリューを回せるようにインプラントの被せ物は(仮着)外せるセメントで固定します。


治療経過

経過10年のお写真です。 3カ月に一度の定期検診に来院され、歯ブラシの当て方も上手なので、歯肉が下がっていません。 基本的にはセラミックには汚れがつきにくいので、歯ブラシは優しく当てて頂ければ このような綺麗な状態を保てます。 ※硬い歯ブラシや力強くゴシゴシ磨いてしまうと歯肉は下がってしまいます。 治療前の一番のストレスだった「被せ物が何度も外れてしまう」というお悩みは解消され、インプラント治療後はとても快適に過ごして頂いています。 患者様としっかりとコミュニケーションを取りながら治療を進めていくのは勿論ですが、 最初の診断がとても重要だという事が分かって頂けるかと思います。


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