今回は、‘’静脈内鎮静法‘’について書きましたのでぜひ拝読して下さい。

KANEKO DENTAL OFFICEでは口腔内の悩みや症状を改善することはもちろんのこと、歯科治療に対する精神的なストレスや恐怖心を可能な限り緩和出来るようにメンタルケアを心がけています。特に歯科では目に見えない所での治療、治療器具の音、匂い、痛みなど不安や恐怖の要素がとても多いとされています。そのため抜歯やインプラントの外科手術、嘔吐反射のある患者様の治療の際に静脈内鎮静法を導入しています。※術部の痛みをとることはできないので、静脈内鎮静法を行なった状態で歯科医師による局所麻酔が必要となります。

〈静脈内鎮静法とは？〉

点滴のように静脈から少しずつ鎮静剤を投与し眠った状態で行う方法です。全身麻酔のように心臓を止めたりすることはなく、うたた寝状態を保っているので意思表示や呼びかけると応答が出来る程度の意識はあります。しかし、健忘効果のあるお薬も投与されるため治療時間が短く感じたり、治療中のことを覚えていないことがほとんどです。そのため治療時の緊張感や恐怖心が緩和されリラックスした状態で治療を受けることが可能です。また、治療中は歯科医師とは別の麻酔科医が全身の状況を常に管理し、コントロールしています。

〈静脈内鎮静法のメリット〉

 

・施術後の麻酔効果が残りにくい

静脈内鎮静法の場合、鎮静剤が残りにくく速やかに効果が無くなるため、全身麻酔の時のように入院をする必要がなく日帰りで治療が受けられます。※しかし、効果の薄れる時間には個人差があるため、施術日は体のふらつきや眠気が強くなることもあるので帰宅後は安静に過ごすことを勧めています。また事故等のトラブルを防ぐためにも、治療当日の飲酒や激しい運動、お車などの運転は控えて頂いております。ご来院やご帰宅の際には送迎の手配や公共交通機関の利用をお願いしています。

・治療後の痛みや腫れが少ない

点滴により輸液、鎮静剤の他に歯科医師の指示があった場合にステロイドを体内に注入します。ステロイドには腫れを抑える効果があります。これらの薬液を静脈から直接体内に取り込むことで内服薬に比べ高い効果が得られます。

〈このような患者様におすすめです〉

 

・歯科治療に対して過度な緊張感、恐怖心がある方

歯科治療への恐怖心や痛みに敏感な患者様は、緊張感から気分が悪くなり貧血を引き起こしてしまうことがあります。未然にトラブルを防ぐために静脈内鎮静法を勧めています。

・基礎疾患をお持ちの方

高血圧や心疾患といった基礎疾患がある方は、鎮静剤の効果により血圧や心拍数などが安定した状態で治療を受けることができます。前述した通り麻酔科医が常にモニターを監視し、全身管理をしていますので安心です。

・嘔吐反射が強い方

歯型取りや喉に水が溜まった際に反射的に吐き気を起こすことが患者様によっては敏感な方もいます。そのような方ですと治療が困難になってしまいますが、静脈内鎮静法の効果で感覚が鈍くなるので治療をスムーズに行なうことができます。

・外科手術などで長時間の治療になる場合

抜歯やインプラントの手術は緊張感に加え治療時間が長くなる場合もあります。治療時間が長いとお口を開けている事がつらくなってきます。さらに頭に近い部分での機械による振動や大きい音も非常にストレスになります。精神的にも肉体的にも負担が大きいためよりリラックス効果を求めるためにも静脈内鎮静法がもっとも最適です。

〈静脈内鎮静法の治療の流れ〉

1.術前の体調の確認

麻酔科医による基礎疾患や体調などについて問診を行ないます。使用する薬剤や量を決める上でとても大切な情報になるので、血液検査の結果や服用している薬についても詳しく確認をします。※妊娠中や鎮静剤が合わないアレルギーや持病をお持ちの方はまれに施術が不可能な場合がございます。事前に歯科医院にご相談下さい。

2.血圧や心拍数などを測定

生体情報モニターを設置し現在の体の状態を把握します。モニターは治療中も5～10分の感覚で測定し常に麻酔科医が記録しています。

3.点滴で鎮静剤を入れる

点滴を使用し静脈から麻酔薬を少しずつ注入していきます。約1～3分程でボーっとし始めそのまま眠ってしまいます。

4.歯科治療開始

鎮静効果が効いている事を確認した後、歯科治療を行なっていきます。治療時は歯科医師と麻酔科医が情報共有をし、安心安全に治療を進めていきます。

5.術後の体調確認

治療後、麻酔の効果が薄くなるまで医院にて安静にします。また術後の注意事項などの説明もしていきます。体のふらつきや眠気が弱まってきたところでご帰宅をして頂きます。

〈まとめ〉

このように静脈内鎮静法は非常に安全性の高い麻酔方法です。

実際に行なった患者様に話を聞くとほとんどの方が「いつの間にか終わっていた」「治療中のことは何も覚えていない」などとてもリラックスをした状態で治療を受けられているようです。

基礎疾患や精神的なストレスを軽減するために静脈内鎮静法を併用し、歯科治療を行なうことで術者も患者様も安心安全に治療に臨めます。恐怖心があることで歯科治療を避けている方にもおすすめしたいと思います。気になる方は当院に気軽にご相談下さい。