医療費が増える理由
私たち日本人の食生活は、いま大きな問題を抱えています。その結果として医療費は年々増加の一途をたどっています。なぜそうなっているのでしょうか。
まず注目すべきは、糖尿病の増加です。現代日本では「5人に1人が糖尿病」といわれるほど、患者数が激増しています。糖尿病は生活習慣病の代表であり、一度発症すると完治は難しく、長期的に薬や治療が必要となります。そのため、医療費の増加に直結します。
さらに、糖尿病はとくに貧困層に広がりやすい特徴を持っています。経済的に余裕がないと、安価で高カロリーな加工食品やファストフードに頼らざるを得ません。結果として栄養バランスを欠いた食事が増え、病気のリスクが高まるのです。
一方で、日本全体として「エンゲル係数(食費の割合)」は減少しています。これは、食にお金をかける割合が低下し、安くて質の低い食品に依存していることを示しています。つまり、「食費を削った分だけ、将来の医療費が増える」という悪循環が起きているのです。
現場で見える「パンの習慣」
当院で糖尿病患者さんに問診すると、必ずといっていいほど パンの摂取が多い という傾向があります。朝食や軽食に手軽だからという理由でパンを選びがちですが、小麦や砂糖、添加物を多く含む食品は血糖値を急上昇させ、糖尿病の悪化につながります。
まずは 「パン中心の生活」から「和食中心の食生活」へ 変えること。ご飯、味噌汁、魚、野菜、発酵食品を組み合わせた昔ながらの和食は、栄養バランスに優れ、血糖値のコントロールにも効果的です。
歯周病と糖尿病の深い関係
実は、糖尿病と歯周病はお互いに悪影響を及ぼすことがわかっています。
糖尿病があると歯周病が悪化しやすい
歯周病があると血糖コントロールが乱れやすい
つまり、歯周病を放置したままでは、糖尿病の治療がうまく進みません。歯周病治療こそが糖尿病改善の「ファーストステップ」であり、口の中を整えなければ根本的な回復は望めないのです。
薬を飲むだけでは不十分で、歯周病治療と食生活改善を並行して行うことが不可欠です。
お金をかけない健康対策
自炊を習慣にする
パン・砂糖・乳製品を控える
たんぱく質をしっかり摂る
カロリー減ではなく栄養を満たす
運動は身近でできることから
朝活を取り入れる
医師選びのポイント
残念ながら、医療現場では 薬を出すだけで食事指導も歯周病治療も行わない医師 が少なくありません。糖尿病を改善するには、「薬+食生活+歯周病治療」がセットです。
食事改善のアドバイスや歯周病管理をしない診療所に通い続けることは、根本的な解決につながりません。患者さん自身も、「生活習慣を一緒に改善してくれる医師・歯科医師」を選ぶことが大切です。
すぐに真似できる1日のモデルプラン
朝
・起床後に水
・5分ストレッチ or 散歩
・ご飯+味噌汁+卵や納豆(パンはやめて和食に)昼
・弁当や自炊中心、野菜+たんぱく質を意識
・甘い飲料を避け、昼休みに10分歩く夕方~夜
・帰宅後に軽い運動
・夕食は魚・豆腐・野菜中心
・発酵食品(漬物・味噌汁)を取り入れる
まとめ
糖尿病をはじめとした生活習慣病は、食生活と口の健康に深く関わっています。
パン・砂糖・乳製品を控え、和食中心へ
たんぱく質をしっかり摂る
栄養不足ではなく「栄養充足」を意識する
歯周病治療をまず行い、その上で糖尿病治療に取り組む
薬だけに頼らず、生活習慣を指導してくれる医師・歯科医師を選ぶ
これらの実践が、未来の医療費を減らし、健康寿命を延ばす第一歩になります。
当院の取り組み
当院では、糖尿病と歯周病の関係をふまえた 歯周病治療・食事指導・生活習慣改善サポート を行っています。薬だけに頼らず、根本から体を整えたい方はぜひご相談ください。
医療法人 KANEKO DENTAL OFFICE 歯学博士 金子泰英
tel:028-688-8100
e-mail:kanekodental.118@gmail.com