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インプラント20年経過した方の今 ― 噛める喜びが人生を変える ―

2025.10.07


インプラント20年経過した方の今 ― 噛める喜びが人生を変える ―

「先生、もう入れ歯は嫌なんです。しっかり噛めるようにしてほしい。」
2005年の夏、そんな言葉からこの治療は始まりました。

当時のレントゲンを見ると、奥歯がほとんどなく、
噛んでいるのは前歯だけ。
その前歯もグラグラしていて、歯ぐきも腫れていました。
食事のたびに不安を感じる状態でした。


■ 当時の状態(2005年)

歯ぐきの病気が進み、歯を支える骨も減っていました。
噛む力は前歯に集中していて、奥歯がないため、
全体がどんどん壊れていく方向に向かっていました。

見た目を整えるだけの治療では、もう間に合いません。
ここでしっかり立て直さなければ、
近い将来すべての歯を失う危険がありました。

 


■ 主訴:「入れ歯は嫌」「しっかり噛みたい」

患者さんは入れ歯の違和感に悩んでいました。
外れることや、食べ物の味がしないことがストレスになっていたのです。
「自分の歯のように噛めるようになりたい」
その想いに応えるため、インプラント治療を選択しました。


■ 治療内容

右上の骨が少なかったため、まず骨を増やす処置を行いました。
そして、上下にインプラントを入れて「奥歯でしっかり噛める」ように再設計。

治療後は、見た目も自然で、噛む力のバランスも整いました。
食事を楽しめるようになり、笑顔も増えていきました。


■ 20年経った今(2025年)

あれから20年。
インプラントはすべてしっかりと機能しています。
歯ぐきも健康で、噛み合わせも安定しています。
まるで自分の歯のように使えているのです。

「20年前にインプラントにして、本当に良かった。」
患者さんはそう話してくれます。

治療後、毎回かかさずメインテナンスに通ってくださっています。
毎回のチェックで小さな変化も早めに見つけ、
歯科衛生士と二人三脚で守り続けてきました。


■ 健康面の変化も

この患者さんは、毎回高濃度ビタミンC点滴を受けながら通院しています。
そのおかげか、20年間、風邪もほとんどひいてません。
血圧の薬も減り、体調も安定。

「歯を治したら、体まで元気になった」と笑顔で話されます。
実際、しっかり噛めるようになると、
栄養がきちんと吸収され、体調が整いやすくなります。

歯を治すことは、健康を取り戻す第一歩なのです。


■ 見た目も変わらない

20年経っても、歯の見た目はほとんど変わりません。
右下の素材をより強いセラミックに変えたくらいで、
全体の印象はほぼ当時のまま。

「昔と同じ笑顔で写真を撮れるのがうれしい」
そう言われる瞬間が、私たち歯科医にとって何よりの喜びです。

 


■ 長くもたせるためのルール

インプラントを長持ちさせるには、
“噛み合わせのバランス”がとても大切です。

前歯だけで噛んでいた頃は、力の方向が悪く、
歯も歯ぐきもどんどん弱っていきました。

今は、奥歯でしっかり噛めるようになったことで、
力が分散し、全体が安定しています。

この「噛むバランス」を整えることが、
長く健康を保つためのいちばんのルールです。

さらに、噛み合わせが整うと首や姿勢も変わります。
体のバランスが良くなり、肩こりや疲れにくさにもつながります。
歯は、体の健康とも深く関係しているのです。

2025/05/08


■ まとめ

20年たっても壊れないインプラント。
それは「技術」だけでなく、
患者さん自身がしっかり通い続け、歯を大切にしてきた証です。

噛めるようになると、
食事が楽しくなり、体も元気になります。
そして何より、笑顔が変わります。

「インプラントにして本当に良かった」
そう思える人生を、これからもサポートしていきます。

歯学博士 

日本口腔インプラント学会 指導医 専門医  金子泰英


 

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