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顎顔面矯正の失敗

ある日、10歳の女の子が相談に来ました。お母さんとおばあちゃんが深刻な表情で、写真を見せながら「顔がゴリラみたいになってきたんです」と話し始めました。

詳しくお話を伺い、実際にお口の中を拝見すると、原因は明らかでした。過去に行われた顎顔面矯正で、上顎を過剰に拡大してしまったため、顔全体のバランスが崩れていたのです。さらに、上下の歯がしっかり噛み合っておらず、噛む機能にも問題が出ていました。この状態では、見た目だけでなく、将来的な成長や健康にも影響が及ぶ可能性があります。

私たちはすぐに治療計画を立て、ワイヤー矯正を開始しました。過剰に拡大された上顎を少し戻しながら、全体のバランスを整えるよう進めました。7か月後、治療が終了すると、女の子の顔つきは元の自然な状態に戻り、噛み合わせも改善されました。

治療後、おばあちゃんが涙ぐみながら「最初からここでお願いしていれば、こんな思いをしなくて済んだのに」とおっしゃいました。その言葉を聞き、私たちも胸が熱くなりました。

症例写真・術前

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症例写真・術中

 

症例写真・術後

矯正治療は、単に歯並びを整えるだけではありません。顎や顔全体の成長を考慮しながら、慎重に計画を立てることが大切です。特に成長期の子どもに対する治療では、少しの判断ミスが大きな影響を与えることがあります。だからこそ、専門家のもとで適切な治療を受けることが重要です。

今回のケースを通じて、改めて矯正治療の責任の重さを実感しました。正しい治療を行うことで、患者さんの未来をより良いものにできると信じています。