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インプラント手術の失敗原因:骨の火傷に注意!

インプラント手術は、失った歯の代わりに人工の歯根(インプラント)を埋め込む治療です。とても成功率の高い治療法ですが、まれにうまくいかないこともあります。その原因の一つが、「骨の火傷(熱損傷)」です。今回は、この問題がなぜ起こるのか、どう防げるのかをわかりやすく解説します。

 

骨の火傷って何?

 

インプラントを埋め込むためには、顎の骨に小さな穴を開ける手術が必要です。この時、ドリルを使って骨を削りますが、摩擦で熱が発生します。もしこの熱が高すぎると、骨の細胞がダメージを受けてしまい、「骨の火傷」と呼ばれる状態になります。骨が火傷すると、インプラントが骨としっかり結合できなくなり、最悪の場合は抜け落ちてしまうこともあります。特に硬い骨(下顎の前歯のあたりなど)は熱がこもりやすく、火傷しやすい場所です。

 

骨の火傷を防ぐためにできること

 

① 水でしっかり冷やす(注水)

手術中は、生理食塩水を使ってドリルの熱を冷やします。これが不足すると、骨の温度が上がりすぎてしまうので、適切な量の水を使うことが大切です。

② ゆっくり慎重に削る

ドリルの回転が速すぎると摩擦熱が増えてしまいます。そのため、適切なスピード(通常800~1200回転/分)で、無理な力をかけずに慎重に削ります。(私は足の感覚を使いスピードをコントロールしています。)

③ 新しいドリルを使う

古いドリルは刃が鈍くなり、余計な熱を発生させます。適切なタイミングで新しいドリルに交換することが大切です。

④ 一度に大きく削らない

一気に大きな穴を開けると、摩擦が増えて熱がこもりやすくなります。そこで、少しずつ穴を広げながら削る(ステップドリリング)ことで、骨の負担を減らします。

 

サージカルガイドを使う場合の注意点

 

最近では、「サージカルガイド」という透明なマウスピースのようなものを使って、インプラントの位置を正確に決める手術が増えています。これにより、より安全で正確な手術が可能になりますが、水をかけにくくなるという問題があります。

水が十分に届かないと骨の温度が上がりやすくなるため、以下の方法で対策をします。

・ガイドの設計を工夫して水が届きやすいようにする

・手術中に追加で水をかける

・一気に削らず、途中で休みながら削る

 

こうすることで、サージカルガイドを使っても骨の火傷を防ぐことができます。

 

まとめ

 

インプラント手術は、成功率の高い治療法ですが、骨の火傷には注意が必要です。火傷を防ぐために、適切な方法で手術を行うことがとても大切です。

患者さんとしては、「手術中にしっかり冷やしながら慎重に進めてくれる歯科医院」を選ぶことが安心につながります。インプラントを考えている方は、経験豊富な歯科医師に相談し、納得のいく治療を受けることが大切です。

当院でも、しっかりとした冷却・慎重な手術を心がけ、安全で長持ちするインプラント治療を提供しています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください!