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どちらの顔が若くみえますか?

2025.10.20

どちらの顔が若くみえますか?

「どちらの顔がいいですか?」
この言葉を、私は患者さんに見せた写真とともに伝えました。

術前と術後、まるで別人のように変わったその表情。
12年前、初めて来院されたときの彼女は、マスクの奥でほとんど笑うことがありませんでした。


歯医者のにおいが嫌いで通えなかった日々

「昔から歯医者のにおいが苦手で…気づいたら行けなくなってしまって」
彼女はそう言って、視線を落としました。

虫歯が悪化しても放置し、痛み止めでごまかす日々。
次第に歯がぐらぐらになり、かめないだけでなく、人前で笑うことすらできなくなっていきました。

そしてある日、我慢できないほどの激痛。
ついに口腔外科を受診し、全身麻酔でほとんどの歯を抜歯。総入れ歯を作ることになりました。


鏡の中に見た「別人の自分」

初めて総義歯を装着した日、鏡を見た彼女は言葉を失いました。
「これ、私じゃない…」
口元の支えを失った顔は、ほうれい線が深くなり、頬がこけて見えたのです。

それまで「歯は命に関係ない」と思っていた彼女が、初めて「歯が顔をつくる」ことを痛感した瞬間でした。

外出するのもおっくうになり、写真を撮ることもなくなった。
誰とも会いたくない。
そんな日々が続いたといいます。


「もう一度、笑いたい」その思いから

ある夜、スマートフォンで「入れ歯が合わない」「インプラント 宇都宮」と検索し、
当院のホームページにたどり着いたそうです。

翌週、勇気を出して相談の電話をくださいました。
初診時の印象は「とても静かで、表情の暗い方」。
でもその奥には、強い決意がありました。

「もう一度、自分らしく笑えるようになりたいんです」


インプラントで“顔”が変わる理由

治療計画は、総義歯からインプラントブリッジへの移行。
歯を支える骨の状態を3Dで確認し、最適な位置にインプラントを埋入しました。

インプラントが骨と結合することで、
歯列の位置、咬み合わせの高さ、唇の支え、顔のバランスが一気に改善。
“若返り”という言葉が大げさでないほど、顔貌が自然に変化します。

この症例でも、12年経過してもなお安定し、
かむ力・見た目・表情すべてが維持されています。


笑顔が戻り、性格まで変わった

治療が進むにつれ、彼女の雰囲気はどんどん明るくなっていきました。
最初はおどおどと話していた方が、次第に目を合わせて笑うように。

インプラントが入った日、
「先生、かめるって、こんなに幸せなんですね」
と涙ぐみながら笑ってくれた表情を、今でも鮮明に覚えています。

その後、彼女は職場にも復帰し、人との交流を楽しむようになり、
なんと再婚もされました。

「歯が変わると、人生が変わる」
その言葉を、まさに体現した方です。


「もっと早く相談すればよかった」

12年経った今でも、インプラントの状態は良好です。
定期的にメインテナンスに通われ、
「12年前に決断して本当によかった」と笑顔で話してくださいます。

「最初は怖かったけど、もっと早く相談していれば、
 こんなに長く悩まなくてすんだのに」

その言葉には、同じように悩む方への優しいメッセージが込められています。


インプラントは“人生を再設計する治療”

インプラントは、単に歯を取り戻すだけの治療ではありません。
「噛める」ことで、体が元気になり、
「笑える」ことで、心が健康になります。

顔が変わる。表情が変わる。性格が変わる。
そして、人生そのものが前向きに動き出す。

歯を失っても、あきらめる必要はありません。
ほんの少しの勇気と、正しい選択で、
人生は何度でも再生できるのです。


最後に ― どちらの顔がいいですか?

術前と術後の写真を並べて、
私はもう一度、患者さんに聞きました。

「どちらの顔がいいですか?」

彼女は少し照れながら、
「もちろん、こっちです」と笑いました。

その笑顔こそ、私たちがこの仕事を続ける理由です。
インプラントは、歯だけでなく“人の心”を再生させる治療なのです。

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