2018.09.12
元気なかわいい赤ちゃんでした。
先月出産された患者さんが赤ちゃんを連れてきてくれました。
凛々しい顔した男の子でした。
無事出産されてよかったですね。おめでとうございます!
この患者さんは今年の2月に初診で来た方です。妊娠4ヶ月でした。
妊娠中なので歯の治療ができないと
他院で断られたそうです。
しかも3件も。。。ひどい話。
お口の中を拝見してみると歯周病も進行し、抜歯が必要な歯もありました。
この状態で出産に入ることは非常に危険です。
左右とも歯周病がひどく膿が大きくなっています。
放置していれば蓄膿症にもなりかねません。
患者さんは自分の歯に問題があると知っていてちゃんと治して
出産に入りたいのと思っているのになんで治療しないんでしょう?
妊娠後期になり運が悪く歯が腫れたら最悪の状態で出産を迎えることになります。
生まれてくる赤ちゃんにも影響がでる場合もあります。
断った歯科医は妊娠中の歯科治療はリスクが高くトラブルが起こったら困るからやらないんでしょう。
その考えは全く逆です。
放置しておく方が危険な状態で出産を迎えることになります。
※妊娠前から歯科検診を受けていましたが悪いところを
指摘されていなかったようです。
実際に海外であった口腔子宮内感染症の話です。
35歳アジアの女性が39週と5日,あと数日で無事に出産するはずが、胎動がなくなり調べたところ死産していたそうです。
原因を大学病院で調べたところ歯周病菌が子宮内に転移し、敗血症により胎児を絶命させたとわかったのです。
これを聞いても歯周病菌を放置しておきますか?
もし妊娠がわかったらまず歯の検診をしてもらいましょう。
そして治療が必要な場合はかかりつけの産婦人科医と相談の上、
安定期に入った段階で治療に入れば問題はありません。
この患者さんもレントゲン撮影、麻酔、抜歯、抗生剤投与を行いましたが
無事元気な子が生まれました。
※産婦人科医との連携のもと歯科治療行っています。
私自身も2人の子供がいますので妊娠中の女性の気持ちはわかっているつもりです。
わかっているならリスクは下げて出産を迎えることが大切ですよね。
今回のポイント
・妊娠したら歯科検診を早めに受ける
・安定期に入れば治療は行っても問題ない
・産婦人科医と連携をとる
・歯周病菌がいると低体重児、早産のリスクが増える
・歯周病菌を減らすのは歯みがきです