2018.08.15
当院20周年パーティーを行いました。
こんにちは。理事長の金子泰英です。
30年8月5日大好きなお店ハチノジョウさんで20周年記念パーティーを行いました。
司会はレディオベリーでおなじみの須賀由美子さんにお願いし、歯科関係者の方々、患者様、元スタッフに来ていただき行いました。
20年振り返ってみて正直いいことばかりではありませんでした。
私が学んできたことと患者さんの考えている治療にギャップがありすぎたからです。
それは歯周病を治すためのプラークコントロール。いわゆる歯磨き。
今でも苦労していますが、開業当初は受付で「歯みがき指導より治療してください」とよく言われました。
「こんなに菌が多い状態では口の中治療できません」というと次にくる言葉は「先生若いからわからないんだ」でした。逆にこれが私のモチベーションとなり、より勉強しようという気持ちになったのです。
開業当初から毎週のように講習会に参加していました。
ある某大学教授の歯周病のセミナーに行ったときスウェーデンに留学経験のある衛生士さんの講義がありました。
その衛生士さんがはじめに言った言葉が
「日本の歯科医療はスウェーデンと比較し20年遅れています」
そんなことはないだろう?と思い、実際に行って確かめるためスウェーデン研修に参加する事としました。その時にカルチャーショックを受けました。日本が遅れているのは本当だったんです。同時に保険治療の弊害を知ったのです。
予防王国から学んだものは大きかったですが、最初の頃はいくら説明しても患者さんには全然響きませんでした。一時は言うのをやめたことがありましたが、やはり歯周病を無視して治療することは歯が長持ちしないとわかっているため、わかる人だけに伝えていこうと継続してきました。その結果、20年経った今、結果が明らかになっているのです。そしてそれは歯だけの問題だけでなく体がどのように悪くなっていくかもわかってきました。
今でも記憶に残っている患者さんがいます。その方は当院の建築でお世話になった方なんですが、重度歯周病で喫煙者、口臭もひどく最悪の口の中でした。さらに痛風、糖尿病で服薬中。悪いことはすべてそろっていましたが予防の話は全く聞いてもらえませんでした。
5年後くらいに再来院した時にはろれつが回らなく入れ歯を治してくれと言われましたが脳梗塞か髄膜炎の疑いがあったため病院を紹介した所、その後しばらくして亡くなりました。ちゃんと歯の治療していればまだ生きていたでしょう。
一方できちんと歯周病を治しインプラントでかみ合わせを治した患者さんがいます。
宇都宮に移転しても鹿沼の久我というところからバスを乗り継いで1時間半かけ、3ヶ月に一回メインテナンスに来ています。現在82歳です。全然ぼけていませんし、非常に若々しいです。アクティブシニアを作るこれが私の理想です。このような患者さんをたくさん作りたいと考えています。
今後の歯科の課題
いつも言っていますが日本は少子高齢化社会、このままいけば医療難民が増えてきます。
いわゆる病院にかかりたくても診る医師がへるためかかれない人が出てきます。
特に地方は。
それなら逆の発想で病気にならないからだ作りをするべきです。
それには「食事ができない歯」ではダメなわけです。
一般的によく噛めなければおかゆや麺類などやわらかい食事に偏りしっかり咬まなければならない野菜や肉類などは敬遠しがちになる。咬まないことで唾液量が十分に分泌しないため味覚も低下し、さらに飲み込みも悪くなる。おいしく感じられなくなることで「食べたくない」という気持ちが膨らみ、食事がつまらなくなり低栄養へとつながっていくのです。
低栄養で身体活動量も減れば筋量が失われて骨がもろくなりサルコペニアなどにもなります。ひとたび寝たきりで要介護になるとそこから健康状態を戻すのは難しい。
この負のサイクルに陥る前にしっかりと歯のかみ合わせを治しておくことが重要です。勿論認知症の予防にもなりますよ。
今後も患者さんのためになる医療を妥協せず続けていきたいと思います。
p.s.サプライズにはほんと感激でした。