2020.11.21
私は昔からぶれてません。方向性に迷っている歯科医師に読んでほしい。
8年前にオーラルケアさんのインタビューを受けたときの
記事を再度載せます。
1年前、金子先生は保険医を返上し、完全自由診療に転換しました。
なぜそうしたのか、その理由を教えてください。
一言で言えば「本気の患者さんに本気で応えたい」ということです。
70歳の患者さんでこういう方がいます。
上下総入れ歯でインプラントにしてもっと咬めるように
したいということで治療をしているのですが、
周りの人にこう言われたそうです。
「歯にそんなにお金をかけてどうするの?
保険の入れ歯で安くてそこそこ咬めればいいじゃない」と。
でもその患者さんは「私は服にお金をかけないし、
車も乗らない。お金を使うことっていったら『食』だけ。
この先何年生きられるかわからないからおいしいものを食べたい。
私はここにお金をかけるって決めているし、
娘もそれを理解している。」と。
もちろん人それぞれ望むものが違います。
その患者さんが何を望んでいるかを理解して、
それに対して私は本気で応えたいのです。
その患者さんにベストな治療を考えても、
保険の制約が絡んで「これしかできません」となると
患者さんのためにならないですよね。
さらに言えば歯科医師が勝手に「患者は保険治療を望んでいる」と考えて、
この例で言えば『食べること』を存分に楽しめない治療を提供するのは間違いです。
それは患者さんのためになっていないですから。
本当にその患者さんを治したい。患者さんの望みをかなえる治療をしたい。
ならば、そういう方法でやるべき。こう考えて完全自由診療にしたのです。
自由診療のみにすることで来院する患者さんは絞られると思います。
どういう変化が起きましたか?
保険医をやめたことを知らせた時点ではっきりしました。
口先だけで「いい評判を聞いてきた」とか、
「利便性」だけで、歯の事に関心がなく
私の信念を理解していない患者さんは来なくなり、
逆に何も言わなくても「先生の治療方針はわかって、
かかりに来ていますから大丈夫です。」と残ってくれる患者さん
このような患者さんに時間をかけられるようになりましたので
テクニカルエラーも少なくなり治療の質がかなり向上しましたね。
患者の人数は減りましたが売り上げは減っていませんし、
クレーマーやモンスターペイシャントもほとんどいないです。
どのような患者さんがくるかは自分の考えや本気度による、
ということがよくわかりました。
自分がぶれているとそういう患者さんしかきませんし、
自分はこれに特化していますと打ち出すとそこに価値を
感じる患者さんが集まってくるのです。
先生の治療の価値はどのようにして伝えているのですか?
治療に関する情報をすべて提供します。
治療はCCDカメラの「サージカムPRO」で撮影し映像で見せています。
正直治療がうまくいかないこともありますがそれもいいわけせずお見せしています。
ある患者さんに歯肉圧排をし、すごく時間をかけて印象を
きれいにとれるまでやっていたら
「今まで歯型をとるのにこんなに時間をかけたことなかった。
いつも簡単に終わっていました。」と言われたことがあるんです。
これでお帰り頂いたら長い時間つらかったなとしか思わないでしょう。
治療後に撮影した映像を見せながら
「歯肉圧排はこういうところに糸をいれて境目を
だしてとるときれいな歯型がとれ、
ピッタリと合うかぶせものができるんですよ。」と説明し、
他の歯に不良補綴物が入っていましたから
「歯肉圧排をしないで歯型をとるとこのような隙間ができ、
ここから細菌が入り、虫歯の再発や歯周病の原因になってしまうのです、
日本で再発、再治療が多いのはこれが原因の一つなんですよ」と説明した所、
患者さんは「あぁ、そうだったんですね!
だから歯型をとるのに時間をかけなければならなかったんですね。」
と理解し、帰っていくのです。
そして補綴物SET時にその状態を映像で見せながら
「適合も咬合状態もいいです。」
と説明すれば自分がどんな治療を受けているのかさらに理解し、
自分が受けた治療の価値を再確認することができます。
ここがポイントです、この時間は惜しみません。
先生のお話しを聞いてやはり映像が患者さんに
もっともわかりやすいものだと感じました。
そうです。私は決して口がうまい方でないし、
患者さんはわからないと思って口だけ達者な先生に
負けたくないという気持ちもあります。
うちにもPCで使ういろんなツールがありますが、
患者さんはほとんどわからないです。なんといっても説明プラス、映像です。
患者さんは治療の細かいところまではわからないわけですから、
自分がやったことをきちんと映像で見せる。
失敗したら、失敗しましたがこうリカバーしましたと
説明すれば患者さんはお金は払いますし、文句も言いません。
サージカムPROの映像の、どんなところが患者さんに伝わるのでしょうか。
サージカムPROは「術者の視点」で撮れます。
歯科医師目線の映像だからこそ、歯科医師が考えていること、
やっていることが集約される。
勿論治療に対する僕の魂も伝わっていると思います。
だから一番説得力があるのだと思います。
歯肉圧排ひとつでも、患者さんは「あぁこういうふうにしているんだ」
と声をあげますから。それから、劇的に色が良いところ。
ものすごく鮮明に映るので、本当にごまかしがききません。
気が抜けないという意味で、こちらとしてもいいですね。
術者視点の映像を見せることで患者さんの理解、関心、信頼が上がる。
そうすると本気の患者さんが増えてくる。
必然的に口コミでの紹介が多くなる。
完全にこういう流れに変わりましたね。
治療を撮影して患者さんに見せることはプラスにしか働きません。
ずばり先生にとって歯科医とは
最近歯科医も違った方向に進んでいるような気がします。
我々はものを売る職業ではありません。
例えばセラミックを売るのではなくその患者さんに
セラミックを入れることにより健康で幸せになってもらう技術を提供するのです。
安売りはいけません。歯科医のレベルを下げているだけです。
その人のやり方なので否定はしませんが、
オーラルケアの社長さんも言っているように、
2020年には患者さんが減少し必ず二極化する。
そこでアクションを起こしてももう遅い。
そのためには今から何をしていけばいいかは決まっています。
患者さん一人一人を大切にし成果を上げ熱狂的なファンになってもらう。
そのためのツールの一つがサージカムPROだと私は考えています。
そして患者さんたちに歯科医とは穴掘ってつめるのが
仕事ではないということを理解してもらうために
これからも努力していきたいと思います。
今、2020年ですね。思わぬことが起こりましたね。
私は10年前から方向性を変えてよかったと思います。
当院は武漢風邪の影響は受けていません。
これからも状況は変わっていくと思いますが
コロナに関して言えば、いち早く患者様に貢献できる
スタイルに変更した歯科医師しか今後は
残らないと思います。