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インプラントとブリッジの違い-当院の患者様の例

今回は『インプラントとブリッジの違い』について、当院の患者様の例を元に書いていますので、是非拝読して下さい。

この患者様は、過去に他院で感染根管治療をした左上6番の歯が折れていたため、10年前(当時26歳)に当院で抜歯をしました。(画像1の⑥)

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このように歯を失った際には通常主にインプラント治療、ブリッジ治療、入れ歯治療の3種類の治療方法があります。

しかしこの患者様は20代ととても若く、また1本のみ抜歯のため入れ歯の選択肢は無く、両サイド左上5番、7番(画像2の⑤、⑦)の歯を削りブリッジにするか、6番の歯にインプラントを入れるかの選択に迷い、インプラント治療を選択しました。(画像3の⑥)

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そして1年経過ごとにレントゲンやCTを撮影し、現在10年経過しておりますが何も問題が無く快適に過ごされています。

この患者様がインプラントを選択し、10年経った今でも健康な口腔内を保たれている理由を説明致します。

それは周りの歯への負担があるブリッジを選択するか、インプラントを選択し周りの歯へのダメージを無くすかが大きく関係しています。

 

まずインプラント治療とブリッジ治療の説明を致します。

 

インプラント治療とは、抜歯や欠損歯などで歯が無い部分の骨に、チタン製でできた人工の歯根(フィクスチャー)を専用の機器で埋め込みます。その人工歯根の上に土台(アバットメント)を立て、被せ物を被せる治療方法です。

ブリッジ治療とは、抜歯や欠損歯などで無い歯の両サイドにある歯を削り、その歯を支えとして被せ物を連結させて作成します。

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ブリッジ治療とは、抜歯や欠損歯などで無い歯の両サイドにある歯を削り、その歯を支えとして被せ物を連結させて作成します。

ブリッジ治療-イラスト-002

 

〈インプラントのメリット〉

 

1.まるで自分の歯で咬んでいるような感覚

インプラントをすることによって、自分の歯と同じような感覚でしっかり咬むことが可能になります。歯を失って入れ歯にした場合は、違和感や食べ物が入れ歯に挟まるなど問題が出てきてしっかりと咬めないという事も珍しくありません。

しかしインプラントは失った歯の歯根の代わりに顎の骨にフィクスチャーを直接埋め込み、アバットを付け人工歯を被せるため、天然歯と同じ感覚で咬むことが出来るのです。また、インプラントの素材はチタンが多く使われています。チタンの特徴として骨と結合しやすく、劣化しにくいためインプラントが骨に固定されることで肉やりんご、おせんべいなど硬い物を食べた際に強い力がかかっても耐えることのできる耐久性もあります。

 

2.審美的な印象

インプラントは審美的にもとても優れています。

保険適用の差し歯は色味が不自然だったり、入れ歯の場合は笑った時に金具が見えてしまうなど見た目に影響が出ます。

しかしインプラントの人工歯の被せ物にはセラミックやジルコニアが使われることが多いため、天然歯のような自然で美しい歯を入れることが出来ます。

 

3.健康面の向上につながる

インプラントを入れしっかりと咬むことが出来ることによって、脳に刺激を与え活性化されます。また咀嚼することによって唾液の分泌が活発となるため、口腔内のトラブルを回避することにもつながります。

 

4.長期間使用できる

インプラント治療を行い、日常の正しい口腔ケア、定期的な歯科医院でのメインテナンス受診、決められたルールを守ることでインプラントの生存期間は長くなります。近年ではより素材の良いインプラントがたくさん出ている為、10年以上持つことが多いです。

 

〈ブリッジのメリット〉

 

1.外科手術を行う必要がない

ブリッジ治療では、両サイドの歯を削り3つの歯を被せるだけなので、外科手術が必要なく大きな傷口もできないため手軽に治療が可能です。

 

2.保険適用のため安価でできる(自由診療でもできる)

ブリッジ治療は保険で認められている為、経済的に患者様の負担が少ない。

 

3.入れ歯のような脱着が必要ない

ブリッジ治療の場合は、土台となる両サイドの歯にセメントで合着するため、患者様自身で取り外しは不可能です。そのため取り外しの日常の手間が省けます。

 

インプラントもブリッジもそれぞれ利点があります。しかしデメリットを考えたときに、どちらが最善の治療かがよく分かります。

 

インプラントは日本の保険医療制度の対象外のため高価でどうしてもその場しのぎでブリッジを選択する方が多いです。

しかし、ブリッジのデメリットとして両サイドの歯を削って支台にするため治療をする必要のない正常な歯を削らなくてはいけません。また欠損部の咬み合わせの負担が両隣の支台の歯にかかるため歯の寿命を縮めてしまうリスクがあり、連結歯のためどこか1本の歯だけでも問題が生じた場合、連結歯の全てが再治療となります。

さらに歯を連結させている為日常のセルフケア(フロスや歯間ブラシを通すこと)が困難となり、歯間に食べかすなどの細菌が溜まりやすく、歯周病や虫歯などのリスクが高くなります。

ブリッジ治療-イラスト-003このように長期的にみたときにどちらを選択した方が良いかが分かります。

その場しのぎでの治療では、次々と問題が生じるなど中々完治しなかったり、完治どころかどんどん悪くなることもあり得ます。また費用もその都度かかり、通院の手間や痛い思いが何度もかかります。それでは全く良いとは言えません。

周りの歯や抜歯した歯をいかに健康で長持ちさせたいかを第一に考えたらインプラント治療を選択することをお勧めします。