2025.04.18
インプラント治療の“はじまり”と“その後” ― LIVEオペと20年後の撤去症例から学ぶこと
昨日は、当院でインプラントに関する2つの手術を行いました。
ひとつは抜歯即時埋入、もうひとつは20年前に埋入したインプラントの撤去です。
午前の症例 術前
午前中は、前歯部の抜歯即時埋入をLIVEオペ形式で行い、3名の先生方が見学に来られました。今回の症例では、レントゲン上で膿が大きく広がっている状態でしたが、感染源をしっかりと取り除いたうえで、インプラントを埋入しました。
見学の先生方
前歯の治療で患者様がもっとも不安に感じるのは、「歯がない期間があるのでは?」という点です。しかし、当院では即時仮歯の対応を行っており、ほとんどの場合で“歯がない時間”がありません。患者様にとって、安心して治療に臨んでいただける体制を整えています。
術後 かりばが入っている状態
また、当院では手術の様子を画面でライブ中継し、手元の操作や流れをわかりやすくご覧いただけます。手術は録画もされており、振り返り学習にも活用できます。
見学された先生方からは「非常に参考になった」「リアルな現場を見られてよかった」との感想をいただきました。
オペは録画してます
午後は一転して、インプラントの撤去手術を行いました。
患者様は80歳のご高齢で、20年前に私が埋入したインプラントでした。途中でお引越しされ、以後は他院でメインテナンスを受けていたとのことです。
しかし、インプラントは「入れて終わり」ではありません。継続的なメインテナンスと、全身状態をふまえた管理があってこそ長期的な安定が保たれます。
加齢によりご自身でのケアが難しくなり、特に奥歯の清掃状態が悪化。インプラント周囲炎を引き起こしていたため、今回は撤去を決断しました。
撤去したインプラント
撤去は静脈内鎮静法で行い、痛みや不安を抑えながら無事終了。見学されていた先生方にも撤去の手技や術中の注意点についてご説明することができました。
麻酔科医と連携
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インプラント治療には、「始まり」もあれば「その後」もあります。正しい診断、丁寧な埋入、そして長期的なメインテナンス――それぞれのステップが欠かせません。昨日の2症例は、それをあらためて実感させてくれるものでした。
今後も、患者様にとって安心で質の高い治療を提供するとともに、学びを共有できる環境づくりも大切にしていきたいと思います。